渋沢史料館
「渋沢史料館」は、飛鳥山3つの博物館の1つ。
令和の1万円札の顔、近代経済社会の礎を築いた渋沢栄一(1840-1931)の生涯と業績をテーマにしています。公益財団法人渋沢栄一記念財団によって管理・運営されています。
渋沢史料館は、渋沢栄一が日本近代化に果たした役割や、彼の「道徳と経済の調和」という理念を後世に伝える重要な施設です。彼が関わった約500の企業設立や社会事業の資料を通じて、近代日本の経済史や社会史に触れることができます。
設立と歴史
渋沢史料館は、1982年(昭和57年)11月15日に開館しました。元々は渋沢栄一の旧邸「曖依村荘(あいいそんそう)」があった場所に建てられており、彼の遺言によりこの土地が財団に寄付されたことがきっかけです。
当初は旧邸内に残る大正時代の建物「晩香廬(ばんこうろ)」と「青淵文庫(せいえんぶんこ)」(いずれも国指定重要文化財)を活用して開館し、1998年(平成10年)には本館が増設されました。その後、2020年11月19日にリニューアルオープンし、展示内容や施設がさらに充実しました。
展示内容
常設展示では、渋沢栄一の人生や思想を「ふれる」「たどる」「知る」の3つのテーマで紹介しています。
「ふれる」: 栄一が暮らした曖依村荘での人柄や日常生活を、映像や関連資料を通じて垣間見ることができます。
「たどる」: 91年にわたる彼の生涯を貴重な資料や写真で振り返ります。
「知る」: 「忠恕」「合本主義」「道徳経済合一説」といった栄一の思想を、自筆資料などと共に深く理解できます。 また、彼の言葉が展示室内に投影されるコーナーもあり、来場者が彼の哲学に触れる機会が提供されています。
さらに、企画展も定期的に開催され、2025年2月22日から3月9日までは「渋沢栄一と友情人形」、同日から5月11日までは「渋沢栄一と喜賓会―明治時代のインバウンド―」といった展示が予定されています(現在の日付である2025年3月5日時点では、これらの展示が進行中です)。
施設とアクセス
館内には、栄一の飛鳥山邸の変遷を楽しめる「リフレッシュコーナー」や、デジタル画像で邸内を体験できる「渋沢栄一さんぽ」、関連書籍が閲覧可能な「青淵書屋」、オリジナルグッズを販売する「青淵商店」などがあります。敷地内の「晩香廬」と「青淵文庫」は歴史的建造物として見学可能です。
所在地: 〒114-0024 東京都北区西ヶ原2-16-1
電話番号: 03-3910-0005(渋沢史料館)
アクセス: JR王子駅や東京メトロ南北線西ヶ原駅から徒歩圏内
入館について
現在は完全予約制で運営されており、入館者数や開館日が制限される場合があります。特に新型コロナウイルス感染症対策として、事前予約が必須となっている時期もありました。最新情報は公式ウェブサイト(www.shibusawa.or.jp)で確認することをお勧めします。